銀座の夜の街は近年、新宿や六本木などのキャバクラやラウンジなどの勢力に押され気味だったが、ここ1、2年くらいでかなり盛り返してきた印象がある。
実際、どのお店の社長や黒服さん、さらには、オーナーママなどに聞いても、お店の経営は順調そのものといった感じである。
まさに、ブレない銀座ここにありといった感じである。
ブレない理由は、黒服の皆さんの質なのではないかと思う。
質とは何かというと、
銀座の高級クラブでは、年配の黒服さんの割合が非常に高いという事である。
銀座には沢山の地方の勢力が出店を目指すが、高級クラブをやるとなったら、銀座に根付いた黒服さんを何人か雇わない限り成功を掴めないという暗黙のルールがある。
ただし、ただ、雇えばいいわけではない。その方々をリスペクトし運営の全般を任せるくらいしないと駄目だ。
地方で成功のノウハウがある経営者の方には何とも歯がゆいものだと思う。実際、任せきれずにオープンしてしばらくするとその黒服さん達をすべて辞めさせて、独自の道を歩んだ店舗は数知れない。
私の知る限りでは、そういったお店のほとんどがうまくいかずに撤退をしている。
もちろん、銀座のすべての黒服さんが素晴らしい方とは限らないので、残念な黒服さんをパートナーにした店舗は目も当てられない結果になっている。
力のある女性は、男性を見抜く力もあるのでお金だけでは絶対に動かない。
一流のママやホステスさんは、お金よりも信頼を重視している。これこそが銀座の伝統芸なのだと思う。
銀座で長い間ホステスをして成功し続けるには信頼できる黒服が重要なのだという事なのだと思う。
だから、実力のあるママは黒服とお店を移籍する。
ママと黒服のセットは当たり前の事。
その深い絆が一流のお客様の心をつかみ売り上げが立っていく。
この事に目を向けて行かない限りどれだけお金を掛けても銀座で成功することは難しい。
この重厚な安定感はどの地域にもないものだから、一時他の地域が盛り上がっても、流行に流されることなく安定的に銀座が繫栄し続けているの理由だろうと分析する。